日常生活のいろんなところで、実は放射線が活躍しています。 また、自然放射線はあなたの身の回りに昔から存在するものです。 どんなものがあるか、探してみましょう!
街では放射線が活躍しています。 気になるところをクリック・タップして、はたらく放射線を探してみましょう!
現在、ほとんどの車にはラジアルタイヤが利用されていますが、 生ゴムの強度を高めるのには放射線が活用されています。 普通のプラスチックは比較的柔らかいか、 温度が上がると柔らかくなってしまうものがほとんどです。 しかし、放射線を当てることで分子同士のつながりが強くなり、 より硬くすることができます。これを橋かけと言います。
ビート板は、発泡ポリエチレンという素材でできています。 この素材を作る際、分子同士を結合させ気泡を閉じ込めるために、 放射線のなかまである電子ビームが照射されています。 発泡ポリエチレンはクッション性や断熱性に優れ、自動車のドアやシート中のクッション、 天井や壁の断熱材、ペットボトルの線の内側のパッキンなどとしても使われています。
エックスドクター(X線)
空港の手荷物検査装置にはX線が活用されています。 材質によって透過しやすさが異なるという、X線の性質を利用しており、 カバンを開けなくても中に何が入っているのかを見ることができます。
ジャガンマちゃん(γ線)
プラスチック製のペットボトルは熱に弱く、加熱に頼らない殺菌を行う必要があります。 照射時の温度上昇が少ないことから、γ線や電子線などの放射線が滅菌に利用されています。 また海外では、香辛料などの殺菌にも放射線が活用されています。
現在注目を集めているソフトコンタクトレンズの素材に、シリコンハイドロゲルというものがあります。 従来の素材に比べて多くの酸素を透過するので、酸素不足に伴う感染症の防止、 目の乾燥感の軽減や、充血の軽減などに役立つのではないかと期待されています。 シリコンハイドロゲルの製造時には、放射線(γ線や電子線)が活用されているのです。
スマートホンやパソコンの中には大規模集積回路(LSI)というものが組み込まれています。 大規模集積回路(LSI)は人間でいうと大脳に相当するもので、 いろいろなアプリを動かすときに中心的役割を担っています。 この回路は一万分の1ミリメートルよりも細い線で描かれているのですが、 このとても細い線を描くために、放射線のなかまである電子ビームが使われています。
ジャガイモにγ線を照射することで芽止めを行うことができます。 これにより、常温での長期保存が可能となりました。 日本ではジャガイモにのみ食品照射が許可されていますが、 海外では香辛料やハーブなどの滅菌にも放射線が利用されています。