最初の放射線「X線」の発見
ヴィルヘルム・レントゲン(ドイツ)
レントゲンは、真空にしたガラス管の中で高電圧をかける実験を行っていた時、
金属板さえも通り抜けられる未知の光線が発生していることに気づきました。
レントゲンはこの光に「未解明のもの」という意味を込めて「X線」と名づけました。
これが現代まで続く放射線研究のはじまりです。
天然のウラン鉱石から放射線を発見
アンリ・ベクレル(フランス)
ベクレルは、蛍光物質の研究中にウラン鉱石が
写真乾板(光に反応する物質を塗ったガラスの板)を
感光させることに気がつきました。
物質が自然に放射線を発する能力(放射能)を持つことが
初めて確認されたのです。
放射性物質の発見
キュリー夫妻(フランス)
マリ・キュリーは、夫のピエール・キュリーが発明した電位計を用いて
ウラン鉱石の中から、ウランよりも強い放射線を出す
ポロニウムとラジウムを発見。
この功績から1903年に夫妻はノーベル物理学賞を受賞しました。
α線 、β線の発見
アーネスト・ラザフォード(イギリス)
ラザフォードは、ウランからα線とβ線の2種類の放射線が生じていることを発見し、
翌年にはα線とβ線の分離に成功しました。
ラザフォードは原子核の発見や放射性元素に関する
研究・貢献から「原子物理学の父」とも呼ばれています。
γ線の発見
ポール・ヴィラール(フランス)
ヴィラールは、X線に似て透過力が高く、電荷を持たない
未知の放射線を発見しました。
この放射線は1903年にラザフォードによって
電磁波であることが示され、γ線と名づけられます。
中性子の発見
ジェームズ・チャドウィック(イギリス)
チャドウィックは、ベリリウムにα線を衝突する実験から中性子を発見しました。
当時、原子は陽子と電子から構成されていると考えられていましたが、
原子の構造をうまく説明できない矛盾点を抱えていました。
中性子の発見により、その矛盾が解決されました。
核分裂の発見
オットー・ハーン(ドイツ)、
リーゼ・マイトナー(オーストリア)
ハーンは、ウラン原子に中性子を吸収させた時に、核は大きくならず、
より小さい原子(バリウム)に分裂することを発見しました(核分裂の発見)。
ハーンから相談を受けたマイトナーはこの現象を説明し、
「核分裂」と名づけました。